頚椎椎間板ヘルニア(首ヘルニア)にかかると、手のしびれや痛みなどが生じ、日常生活に支障が出てしまいます。
首ヘルニアは、生活の仕方に気を付けたり、ストレッチなどを実施することで予防が可能です。
正しい姿勢や首の負担を減らす方法、予防のためのストレッチを理解して、首ヘルニアの発症を防ぎましょう。
この記事では、首ヘルニアを予防するための方法や、ストレッチ方法などを紹介します。
目次
■首ヘルニアの症状と原因
首ヘルニアの症状と原因を簡単に紹介していきます。
◎首ヘルニアの症状
首ヘルニアの主な症状は以下です。
- 首回りの急激な痛み
- 腕や手のしびれ
- 腕や手指の脱力
首ヘルニアは、首の骨の間にあり、骨と骨をつなぐ柔らかいクッションのような役割をしている「椎間板」に異常が生じ、脊髄(背骨を通る太い神経)が障害されることで発生します。
ヘルニアによって神経が障害され首に痛みが生じたり、腕や手しびれ・脱力などが生じることが多いです。
また、重症化すると手の細かい動きができなくなったり、歩行障害が生じたりする可能性もあります。
初期症状ともいえる痛み・しびれの段階で治療を開始し、悪化を予防することが大切です。
◎頚椎椎間板ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアは、加齢によって椎間板が劣化することで生じやすくなります。
また、強度の強いスポーツを繰り返したり、仕事で首に負担をかけ続けたりすることも、ヘルニアを発症する原因となるのです。
首に負担のかかる仕事や運動を長時間続けるのは控え、適度に体をほぐしたり、休めたりして、ヘルニアの発症を予防しましょう。
■首ヘルニアの予防方法
首ヘルニアの発症を予防するための方法を解説します。
すでに首ヘルニアの症状が出ている方も、予防方法を徹底することで悪化を防ぐことに繋がるため、意識して生活してみましょう。
◎首の負担を減らすよう心掛ける
最も重要なのは、首の負担を減らすように生活することです。
長時間のデスクワークや、重いものを長時間あるいは繰り返し持ち上げる作業などは、首の椎間板へ大きく負担をかけてしまいます。
長時間同じ作業をする場合、適度に休憩を挟んで、首を回したり筋肉を休めたりなどしましょう。
◎正しい姿勢で生活する
首の骨は「生理的前弯」といって、ある程度弯曲しているのが正しい姿勢になります。
猫背やストレートネックの姿勢が癖になっていると、椎間板や首の骨に負担がかかり、ヘルニアを発症してしまう原因となるでしょう。
座っている間はなるべく姿勢を正し、首がリラックスできるよう気を付けなければいけません。
日頃、デスクワークや長時間スマホを使用する方は、頭が下を向かないようになるべく正面を向いて作業しなければ姿勢が悪くなってしまいます。
デスクの高さや椅子の高さ、スマホを操作する位置などを工夫し、正しい姿勢で作業するよう心掛けましょう。
◎自分に合う寝具や家具を使う
就寝時に使用するベッドや枕、長時間座る際の椅子などは、なるべく自分の体に合うものを使用しましょう。
布団の硬さが合っていなかったり、枕が首の高さと合っていないと、寝ている間に首へ負担をかけてしまいます。
さまざまな寝具を試したり、オーダーメイドの枕を作成したりして、首に優しい姿勢で眠るようにしましょう。
また、椅子が高すぎたり低すぎたりしても、姿勢が悪くなり首に負担をかけてしまいます。
背筋を伸ばせる座面の椅子や、足が地面に設置する椅子を購入しましょう。
◎ストレッチや体操を行う
首回りや体幹のストレッチを行うことも、首ヘルニアの予防に役立ちます。
首はもちろん、肩や胸、腰などが強張っていると、姿勢が悪くなり首へ負担がかかってしまいます。
日頃から肩や背中などのストレッチを徹底していれば、首への負担を減らしヘルニアの発生を予防できるでしょう。
■首ヘルニア予防に役立つストレッチ
首ヘルニアの予防に効果的なストレッチを2種類紹介します。
◎肩回りをほぐすストレッチ
肩をほぐすと余計な力が抜け、首の筋肉のこわばりを軽減できます。
肩のストレッチ方法は以下です
- 棒を用意する(タオルでも可)
- 棒の両端を持ち、頭の上を通って後ろに持っていく
- 頭の後ろに来たら、痛くない程度のところまで下へ引き下げる
- ゆっくりと頭の前へ戻す
- 1~4をゆっくりと10回繰り返す
この体操によって、腕・肩・胸の筋肉をほぐすことが可能です。
初めてやる場合は筋肉が硬くなっており、攣ってしまうこともあるため、適度に行いましょう。
◎体幹(胴体)のストレッチ
腰やお腹・背中の筋肉をほぐすことも、首ヘルニアの予防に役立ちます。
- 椅子に浅く腰掛け、両足を地面につける
- 両手は頭の後ろに組んでおく
- ゆっくりと腰を丸める(おじぎではありません)
- 反対に、ゆっくりと背筋を伸ばす
- 1~4をゆっくりと10回繰り返す
背骨を曲げ伸ばしすることで背筋が整い、首の姿勢も良くなります。
頭が動かないよう、両手を後ろに組んでおくと良いでしょう。
■首ヘルニアにマッサージは効く?
首ヘルニアに対し、自己流のマッサージはあまり効果的とはいえません。
理学療法士や柔道整復師などの施術であれば、リスクに注意しながら筋肉をほぐせますが、自己流のマッサージはかえって筋肉を強張らせたり、ヘルニアを悪化させたりする恐れがあります。
まずは医療機関で検査と診断を行い、専門職から適切な治療方法やストレッチの方法を教わると、安全に治療を進めていけるでしょう。
■毎日の生活から首ヘルニアを予防しましょう
首ヘルニアは、日頃から生活の仕方に気を付けたり、ストレッチや体操をしたりすることで予防できます。
なるべく首に負担のかからない姿勢や過ごし方を心掛け、適度な体操を行うようにしましょう。
「おおかわ整形外科」では、首ヘルニアの診断のためにMRI検査などを行い、予防に役立つストレッチの指導などを行なっています。
柔道整復師や理学療法士によるマンツーマンの指導・施術も行なっておりますので、お気軽にご相談ください。