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羽島の保護者へ|試合を休む?サッカーの足首と野球の肘のけが

羽島の保護者へ|試合を休む?サッカーの足首と野球の肘のけが

週末の試合を前に、足首の腫れと肘の違和感をどう見るか


サッカーで足首をひねった長男は歩けるものの、腫れが引かない。次男は普段は平気なのに、投げた後だけ肘を気にする。同じ「けが」でも、急に起きた外傷と繰り返す不調では、休み方も相談の目安も変わります。「歩ける」「普段は痛くない」だけで参加を決めないことが判断の出発点です。


この記事の要点まとめ


  • 足首の腫れや骨の痛みが続く場合は、歩けても受診を検討します。
  • 投球後の肘痛は投球を控え、痛む動作や練習状況を記録します。
  • 試合参加や競技復帰は症状を確認し、段階的に進めます。

痛みと腫れの出方で、試合を休む目安を見分ける

痛みと腫れの出方で、試合を休む目安を見分ける

少年スポーツのけがは、接触や転倒で急に起きる急性外傷と、同じ動作の繰り返しで生じるスポーツ障害(使いすぎ症候群)に分けて考えます。成長期の子どもには骨端線(成長線:骨が伸びる柔らかい部分)があり、大人とは違う場所を痛めやすいのも特徴です。


急にひねった足首と、投球後に痛む肘を表で整理


観点サッカーの足首野球の肘
起こり方接触や着地で急にひねる投球の繰り返しで少しずつ
よく見られる症状腫れ、内出血、押すと痛む投げた時・投げた後の痛み、伸ばしにくさ
まず控える動作走る・跳ぶ・切り返す投げる動作全般
相談の目安腫れが続く、体重をかけにくい痛みが繰り返す、左右で曲げ伸ばしに差がある

サッカー選手の足首のけがについては、FIFAのけが予防プログラムの効果を調べた研究があります1。痛みが出た瞬間がはっきりしているか、腫れがどう広がったかも書き留めておきましょう。


サッカーの足首捻挫は、歩けても腫れや骨の痛みを確認


家庭でのセルフチェックでは、次の3点を見てください。


  • くるぶしなど骨の出っ張り付近を押すと痛む
  • 腫れや内出血が翌日になっても広がっている
  • 痛む足に体重をかけて数歩歩くのが難しい

歩けていても、骨折や成長線の損傷が隠れている場合があります。


野球の肘・肩は、日常生活で平気でも投球時の痛みを見逃さない


普段は気にならず、投げた時だけ痛む。成長期の野球ではよくある訴え方です。肘の内側か外側か、肩のどのあたりか、痛む位置と曲げ伸ばしのしづらさを確かめます。


成長期に肘が痛む原因はさまざまで、診察のうえ医師が判断します。筋肉痛や成長痛と決めつけず、まず投球を控える方向で考えてください。


変形・しびれ・歩行困難があれば、その日の受診を考える


見て分かる変形、強い痛みや急な腫れ、足を床につけない、しびれ、指先の色が悪い。こうした様子があれば練習を中断し、その日のうちに医療機関へ相談しましょう。


ポイント

変形が明らかな場合や血の巡りが悪そうな場合は、救急受診も選択肢に入れてください。


けがの直後と繰り返す痛みで、休み方・対応を変える


急なけがは「直後の保護」、繰り返す痛みは「原因となる動作を休む」ことが対応の軸になります。


足首をひねった直後は運動を止め、冷却と保護を行う


その場でプレーをやめ、タオルなど布越しに保冷剤を当てて短時間ずつ冷やします。足を心臓より少し高く上げ、必要なら軽く固定して体重をかけないようにしてください。


この流れがRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)と呼ばれる応急対応です。「いつまで続けるか」は一律に決まらないため、腫れや痛みが引かない場合は数日待たずに受診を考えてください。


冷やし続けるだけではなく、痛む動作や無理な処置を避ける


最近はPOLICE(保護に加え、無理のない範囲で適度に動かす考え方)も知られるようになりました。ただし初期の保護と、その後の活動再開は別の段階です。


腫れた直後の強いもみほぐし、長時間の冷やしすぎ、痛みをこらえたストレッチは避けましょう。足首が不安定な思春期の選手を対象に、筋力やバランスの練習を検討した研究もあり2、動かし始める時期と内容は状態を診てから判断することが望まれます。


肘が投げるたびに痛むなら、試合だけでなく投球練習も控える


「普段は痛くない」ことは、参加してよい根拠にはなりません。投球中や投球後の痛みが続く間は、キャッチボールも含めて投げる動作を休み、指導者にも伝えておきましょう。


何球目あたりで痛むか、練習した日と休んだ日をメモしておくと、診察の際に経過を伝えやすくなります。


週末の試合は「動けるか」より「痛みなく動けるか」で考える


足首に腫れや走った時の痛みが残る。肘に投球時の痛みが出る。こうした状態なら、参加を見送る判断が無理のない選択です。


ポイント

試合に出るかどうかは「動けるか」ではなく「痛みなく動けるか」で判断します。


楽しみにしていたお子様には、「次の試合に万全で出るため」と理由を添えて話すと、気持ちを受け止めやすくなります。


受診から競技復帰まで、何を確認する?

受診から競技復帰まで、何を確認する?

整形外科では、痛みの経過と診察から検査の必要性を考える


受診前に、いつ・どの動作で痛んだか、腫れの変化、歩き方や投げ方、最近の練習量をメモしておくと話が進みます。診察では押して痛む場所や関節の動きを確かめ、必要に応じてレントゲンで骨や成長線を、MRIで靱帯や軟骨などを調べます。


撮影ありきではなく、症状から検査の要否を判断します。MRIが選択肢になる場合もありますが、使うかどうかは診察のうえで判断します。


痛みが引いた後も、歩く・走る・投げる動作を段階的に戻す


痛みが落ち着いても、すぐ全力に戻すのは控えましょう。足首は普段の歩行から軽いジョギング、方向転換へ。肘は痛まない動きから、短い距離の投球へと進めます。


各段階で腫れや痛みが出ないかを確認し、必要に応じてリハビリを相談します。肘の靱帯損傷を手術せずに扱った研究では競技復帰が報告され、対象者の平均年齢は約20歳でした3。小学生の復帰時期にそのまま当てはめることはできません。


再び痛めないために、投球数とサッカーの練習間隔を見直す


野球は1日の投球数と休養日、サッカーは連日の練習や試合の間隔を、家庭とチームで共有しておきましょう。


サッカー選手の足首のけがに対するFIFAのけが予防プログラムの効果を調べた研究がまとめられています1。足首に機能的な不安定性のある思春期の男子サッカー選手を対象に、筋力・バランスのトレーニングを調べた研究もありますが、対象は小学生と条件が異なります2。


受診を迷うときは、二人それぞれの症状を伝えて相談する


腫れが残る足首と、投げるたびに痛む肘。症状は違っても、二人分の経過と週末の試合予定をあわせて伝えていただくと、受診の段取りを一緒に考えやすくなります。当院では、お子様一人ひとりの状態と今後の練習の考え方について、分かりやすい説明を心がけています。


シフトや送迎に合わせて受診日を決める際は、アクセスページで診療時間をご確認ください。まずは足首の腫れの写真と、肘が痛んだ球数のメモを用意するところから始めてみてください。


よくある質問


Q. 子どものスポーツ障害にはどんなものがありますか?


A. 同じ動作の繰り返しで起こるものとして、投球による肘や肩の障害、膝のお皿の下が出っ張って痛むオスグッド病、すねの内側が痛むシンスプリント、疲労骨折などがあります。成長期は成長線が関わる場合もあるため、痛みが続くときは整形外科で相談してください。


Q. サッカーをすると膝が痛くなるのはなぜですか?


A. 走る・蹴る・跳ぶときに膝が痛む原因はさまざまで、診察のうえ医師が判断します。膝下の出っ張りを押すと痛む、腫れがあるといった場合はオスグッド病の可能性もあり、医師にご相談ください。


Q. 学校の部活やクラブでのけがに、スポーツ保険は使えますか?


A. 学校管理下のけがは、日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象となる場合があり、医療機関や整骨院で記入する書類が必要です。クラブチームの活動中であればチームで加入している保険の確認を。窓口での負担額は医療機関や検査内容によって異なるため、受診先にお問い合わせください。


Q. 兄弟それぞれのけがで、通院の負担が心配です。


A. 予約の際に兄弟二人の受診を希望していることを伝え、同じ日に診てもらえるか相談してみてください。痛んだ動作や練習の記録を事前にまとめておくと、診察時間の中で話を進めやすくなります。


参考文献


1. Alhazmi M, Alhazmi E, Alghamdi WA et al. Effectiveness of FIFA injury prevention programs in reducing ankle injuries among football players: a systematic review. PeerJ. 2025. PMID: 40084177 / DOI: 10.7717/peerj.18910

2. Park HS, Oh JK, Kim JY et al. The Effect of Strength and Balance Training on Kinesiophobia, Ankle Instability, Function, and Performance in Elite Adolescent Soccer Players with Functional Ankle Instability: A Prospective Cluster Randomized Controlled Trial. Journal of sports science & medicine. 2024. PMID: 39228771 / DOI: 10.52082/jssm.2024.593

3. Gopinatth V, Batra AK, Khan ZA et al. Return to Sport After Nonoperative Management of Elbow Ulnar Collateral Ligament Injuries: A Systematic Review and Meta-analysis. The American journal of sports medicine. 2023. PMID: 36876746 / DOI: 10.1177/03635465221150507


大川 力

医師


おおかわ整形外科

院長

大川 力

▶ 監修者プロフィール

経歴
1991年 岐阜大学医学部卒業
1991年 三重大学医学部整形外科学教室入局
1991年 山田赤十字病院(現伊勢赤十字病院)整形外科勤務
1997年 名張市立病院整形外科勤務
1998年 山本総合病院(現桑名市総合医療センター)整形外科勤務
2000年 富田浜病院整形外科勤務
2000年 おおかわ整形外科開院
資格・所属学会
日本整形外科学会整形外科専門医
日本運動器学会運動器専門医