高齢者の骨折の原因となってしまう「骨そしょう症」をご存じでしょうか?
人間の骨は年齢を重ねるごとに脆くなりやすく、軽く転んだだけでも骨折する可能性が高くなります。
骨そしょう症の危険性を理解し、早めに予防・治療できるようにしましょう。
この記事では、骨そしょう症の症状や骨折のリスク、治療法などを解説します。
■骨そしょう症とは?
骨そしょう症とは、骨の密度が低くなり転んだだけでも骨折してしまうといった、骨折しやすい状態を指します。
本来、人間の骨は細胞の生まれ変わりによって丈夫に保たれます。
しかし、年齢を重ねていくと、細胞が壊れる速度に再生速度が追いつかなくなり、骨がどんどん脆くなっていってしまうのです。
骨そしょう症が進行し、骨がスカスカになってしまうと、少し転んだりぶつけたりしただけでも骨折するようになってしまいます。
高齢者の場合は筋力もつきにくく、骨折してから寝たきりになってしまう方も少なくありません。
年齢を重ねてきたら、予防や早めの検査を心掛け、骨そしょう症にならないよう対策しましょう。
■骨そしょう症で骨折しやすい部位
高齢者が骨そしょう症になると、以下の部位を骨折しやすくなってしまいます。
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背骨
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手首の骨
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太ももの付け根の骨
背骨が脆くなると、脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)になりやすくなります。
主に腰椎(腰の骨)にみられる骨折であり、尻もちをついた際や、勢いよく椅子に腰掛けた際に背骨がつぶれてしまうのです。
強い痛みを伴い、しばらく寝たきりになったり、コルセットを付けなければ動けなかったりします。
また、転んだ拍子に手首やももの付け根(股関節)を骨折する方も多いです。
利き手を骨折して家事や身の回りのことが不便になったり、しばらく歩けなくなったりしてしまいます。
骨折すると日常生活が大きく制限されてしまうため、リスクを減らすためにも、骨密度を高く保つことが大切なのです。
■骨そしょう症のリスクが上がる生活習慣
以下のような生活習慣がある方は、骨そしょう症になるリスクが高まってしまいます。
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運動不足
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乱れた食生活
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喫煙
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過度のアルコールの摂取 など
運動不足になると、血流が低下したり、骨を丈夫にする力が弱くなります。
また、食生活が偏り、骨に栄養が行き渡らなくなると、新しい骨を作れません。
喫煙や過度のアルコール摂取が栄養の吸収を妨げ、骨を脆くすることもわかっています。
なるべく丈夫な骨を維持できるよう、日頃の過ごし方に注意することが大切です。
■骨そしょう症の予防と治療
骨そしょう症になるのを防ぐには、予防と早期発見・治療が大切です。
この章では、骨粗しょう症を予防する生活習慣や、骨そしょう症の治療法を確認していきましょう。
◎予防
骨そしょう症は、発覚してから治療するよりも、予防することが重要な病気です。
治療には大変な時間と労力がかかるため、日頃から予防に努め、骨そしょう症にならないことが重要です。
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バランスの良い食事を心掛ける
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散歩や運動を心掛ける
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適度に日光に当たる
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定期的に骨密度の検査を受ける
骨そしょう症を予防するには、たんぱく質やカルシウムなどの栄養素を摂るため、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
野菜や肉、乳製品などをバランスよく摂取できるよう、食事の内容を考えましょう。
また、骨に体重がかかる運動を行うことは、骨密度を維持するのを助けます。
加えて、日光を浴びると、骨を作るビタミンが作られるため、散歩や軽い運動を日課にするとよいでしょう。
また、どれだけ生活習慣に気を付けていても、骨密度が低下してしまうことがあります。
定期的に検査を受け、骨密度が低下していないか確認することが大切です。
整形外科で骨密度の検査を受け、きちんと予防できているか確認しましょう。
◎治療
骨そしょう症になってしまった場合、骨密度を上昇させる薬の使用を提案する場合があります。
内服薬や注射などさまざまなタイプがあり、体質や生活スタイルに合わせて使用方法を提案可能です。
薬を使用しつつ、生活習慣をご指導させていただき、時間をかけて骨密度を回復させていくことになります。
一度骨密度が回復しても再発する可能性があるため、正しい生活習慣を身に着けることも大切な治療の手段です。
■骨そしょう症は早めにの予防と治療が大切です
骨そしょう症になると、骨折するリスクが高くなってしまいます。
早期発見・治療はもちろん、骨密度が低下しないよう予防したり、定期的に検査したりなど、日頃から対策しておくことが重要です。
骨そしょう症の検査・治療は、整形外科でも受けられます。
『おおかわ整形外科』では、骨密度の測定や、骨そしょう症の治療、栄養や運動方法の指導などを提供しています。
骨が脆くなっていないか心配な方は、お気軽に当院へご相談ください。