日常的に激しいスポーツをする方のなかには、すねの痛みに悩んでいる方もいるでしょう。
すねの痛みの主な原因には「シンスプリント」と「疲労骨折」の2種類がありますが、痛みの場所が似ており判断が難しいことも多いです。
この記事では、すねの痛みの原因となるシンスプリントと疲労骨折の違い、判別方法を解説します。
目次
■シンスプリントと疲労骨折の違い
シンスプリントと疲労骨折は、どちらもすねの痛みが出現するスポーツ障害の一種ですが、けがの内容には違いがあります。
シンスプリントとすねの疲労骨折の違いを詳しく見ていきましょう。
◎シンスプリント
シンスプリントは、すねの内側に痛みが出現する「スポーツ障害」の一種です。
激しい運動を続けているうちに足の筋肉へ疲労がたまり、繋がっている骨膜(骨のまわりを覆う膜)に炎症が起こってシンスプリントになります。
運動中や運動直後にすねの内側へ痛みが出るのが特徴であり、休むと収まりますが、再開するとまた痛みが出現します。
シンスプリントが起こるのは、運動の負荷が強すぎることや、運動後のケア不足、誤ったフォームなどが主な原因です。
また、生まれつきの骨格が原因で起こるケースや、成長期などで筋肉の発達が不十分であるために発症するケースも少なくありません。
シンスプリントの詳しい症状や治療法は以下の記事で解説しているため、興味のある方はぜひご覧ください。
関連記事:シンスプリントとは? スポーツで起こるすねの痛みの原因と症状を解説
関連記事:シンスプリントはどう治す? すねの痛みを和らげる治療法を解説
◎疲労骨折
疲労骨折とは、走ったりジャンプしたりを繰り返すことで骨に負担がかかり、骨が限界を迎えてひび割れた状態を指します。
シンスプリントもまた、運動中や運動直後に痛みを感じる場合が多いです。
すねの疲労骨折は、特にジャンプやダッシュなど、足に体重がかかる運動を繰り返す方に多く発生します。
トレーニングのしすぎや骨格の問題、自分の体に合わない道具の使用などが原因で起こるケースが多いです。
■シンスプリントと疲労骨折の見分け方
シンスプリントと疲労骨折の症状は似ていますが、以下のような違いから見分けることも可能です。
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シンスプリント |
疲労骨折 |
痛みの種類 |
押すと鈍い痛みがある |
押すと鋭い痛みが走る |
痛みの場所 |
すねの内側 くるぶしの上から真ん中あたりまで |
すねのどの部位にも起こる |
痛みの範囲 |
やや広い範囲に痛みが出る |
狭い範囲に痛みが出る |
かならずしも上記のようになる訳ではありませんが、症状の特徴を理解しておくことで、ある程度判断できるでしょう。
ただし、シンスプリントと疲労骨折を自己判断すると、休んでもなかなか痛みが引かなかったり、悪化して日常生活に支障が出たりする場合があります。
すねの痛みがある場合、早めに医療機関を受診して、診断と治療を受けることが大切です。
■シンスプリントと疲労骨折の診断方法
シンスプリントと疲労骨折を診断するために、整形外科では以下の検査を行います。
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問診や触診
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X線画像診断(レントゲン)
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MRI検査
整形外科医の問診や触診から、痛みがシンスプリントによるものか疲労骨折によるものかをある程度判別可能です。
問診や触診で得た情報をもとに、X線画像診断やMRI検査で骨の状態を確認し、正確な診断を行います。
特にMRI検査では、より正確に骨の状態を調べられるため、シンスプリントと疲労骨折の判断に役立ちます。
近年では、従来のMRIよりもリラックスして受けられるMRI機器が登場しているため、気軽に受けてみるとよいでしょう。
■シンスプリントと疲労骨折のセルフチェック
シンスプリントや疲労骨折の目安となるセルフチェック項目を紹介します。
複数当てはまる場合は、シンスプリントか疲労骨折を発症している可能性があるため、早めに整形外科を受診しましょう。
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運動するとすねに痛みが出る
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運動後もしばらくすねの痛みが続く
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休憩すると痛みがやわらぐ
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すねの骨を押すと痛みが強く出る
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歩くだけでも痛みが出ることがある
■すねの痛みがあるときは整形外科で検査を受けましょう
スポーツ中にすねの痛みを感じている場合、シンスプリントや疲労骨折を発症している可能性があります。この2つは症状が似ており、自分では判断や治療が難しいため、適切な診断と治療を受けることが大切です。
痛みがある方は、なるべく早めに整形外科を受診し、専門的な検査と治療を受けましょう。
シンスプリントと疲労骨折を適切に治療するには、スポーツ障害に特化した整形外科を受診するのがポイントです。
『おおかわ整形外科』ではスポーツ整形外科の診療も行っており、オープン型のMRIによる検査や、スポーツに精通したリハビリスタッフによる治療を提供しています。
すねの痛みが心配な方や、いち早く治療してスポーツに集中したい方は、ぜひ当院へご相談ください。