「シンスプリント」は、成長期の子どもが運動中に発症しやすいスポーツ障害の一種です。
スポーツの練習や大会に集中するためにも、シンスプリントの痛みを早く解消したい方は多いでしょう。
この記事では、シンスプリントの治療法や、治るまでにどのくらいかかるかを解説します。
目次
■シンスプリントの治療法
シンスプリントでは、痛みの程度や行っているスポーツの種類などを伺いながら、以下の治療を行います。
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リハビリテーション
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装具療法
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薬物療法
この章では、それぞれの治療法を詳しく見ていきましょう。
なお、シンスプリントの詳しい症状や原因は「シンスプリントとは? スポーツで起こるすねの痛みの原因と症状を解説」の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
◎リハビリテーション
シンスプリントのリハビリテーションでは、痛みを緩和するための「物理療法」や、筋肉のこわばりを調整する「運動療法」を行います。
物理療法では、熱の力で筋肉の緊張をやわらげる「温熱療法」や、電気で痛みの緩和を促す「電気刺激療法」などを使用します。
運動療法では、スポーツの種類や身体の成長具合、一人ひとりのフォームに合わせたケアと、悪化・再発を予防するトレーニングを行うことが可能です。
リハビリテーションを継続して受けることで、シンスプリントの痛みを感じずに運動できるようになる方もいます。
安静期間に身体のコンディションを整えたい方は、リハビリテーションを受けてみるとよいでしょう。
◎装具療法
装具療法とは、サポーターなどを使用し、関節や筋肉を補助する治療法です。
シンスプリントに対する装具療法では、インソール(靴の中敷き)を使用して足への衝撃をやわらげたり、テーピングをして筋肉の使いすぎや疲労を軽減したりします。
ただし、サポーターやテーピングを使いすぎると、筋肉が硬くなったり弱くなったりする場合もある点に注意が必要です。適切な期間、適切な装具療法を実施するには、医師や理学療法士、柔道整復師のサポートを受けましょう。
◎薬物療法
シンスプリントの痛みを緩和するため、痛み止めや湿布薬などを使用する場合もあります。
特に痛みの強い初期や、大会などでやむを得ず運動する際には、痛み止めを使用するのも手段の1つです。
注意しなければならないのは、痛み止めの使用により「治った」と感じてしまい、練習量を増やしてしまうことです。痛みを感じなくとも、根本的な問題が解決しておらず、症状が悪化してしまう場合もあります。
痛み止めの使用中は、医師や看護師、薬剤師の指示とアドバイスを聞き、無理な運動は控えることが大切です。
■シンスプリントはどのくらいで治る?
シンスプリントの痛みが治るまでにかかる時間は個人差があります。
症状が軽度であり1週間程度で治る方もいれば、重症化して2~3ヶ月かかる方もいます。
また、治療を受けながらも運動を続けた場合、治るまでの期間が長引くケースも少なくありません。なるべく短期間での完治を目指す場合は、医師のアドバイスを聞き、一定期間は足への負担を減らすよう心掛けましょう。
■シンスプリントの自己ストレッチ・マッサージ方法
シンスプリントは、日頃のストレッチやマッサージが治療の一環になります。
治療終了後も継続して実施することで、再発を防ぎやすくもなるでしょう。
シンスプリントに対する自己ストレッチやマッサージ方法を紹介します。
◎ストレッチ
シンスプリントに対する自己ストレッチでは、主にふくらはぎの筋肉をほぐします。
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足を前後に開いて立つ
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前に出したほうの膝を曲げていく
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後ろ足の膝を軽く曲げ、かかとは床から浮かないようにする
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ふくらはぎの筋肉が伸びるのを感じたら、20~30秒キープする
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前後の足を入れ替えながら、5~10セットずつ繰り返す
ストレッチを行う際は、勢いやリズムをつけて伸ばそうとせず、静かにじっくりと行うことが大切です。
◎マッサージ
シンスプリントの原因となる「後脛骨筋(こうけいこつきん)」や「足底腱膜(そくていけんまく)」は、ストレッチが難しいため、マッサージを行うのが効果的です。
【後脛骨筋のマッサージ】
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床に座り、痛みのある側の足を反対側の膝に乗せる
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親指を使い、すねの内側の骨に沿って、くるぶしから膝までやさしく圧迫する
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5~10 分実施したら、反対側も同じようにマッサージする
【足底腱膜のマッサージ】
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床に座り、痛みのある側の足を反対側の膝に乗せる
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親指を使い、足の裏全体をマッサージする
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5~10分実施したら、反対側も同じようにマッサージする
いずれのマッサージも、あまり強く押しすぎないよう注意しましょう。
強く揉みすぎてしまうと、炎症が悪化したり、痛みが出現したりする可能性があります。
また、足底を圧迫しにくい時は、ゴルフボールなどの硬くて丸い物を使用すると、楽に行えます。
■足の痛みはシンスプリント以外のけがも考えられる
成長期にスポーツをする子どもにとって、シンスプリントは比較的起こりやすいけがの1つです。しかし、シンスプリントによる痛みだと思っていたのが、疲労骨折や別のけがだったというケースもあります。
シンスプリントと他のけがを的確に判別し、正しい治療を行うためには、精密検査を受けることが重要です。
『おおかわ整形外科』では、オープンMRIを使用した精密検査により、シンスプリントをはじめとするスポーツ障害の診断を行っています。オープンMRIでの検査は閉塞感も少なく、狭い場所や暗い場所が苦手な子どもでも、ストレスなく検査をすることが可能です。
シンスプリントや、その他のスポーツ障害の早期発見・治療を希望する方は、ぜひオープンMRIでの検査をご検討ください。
■シンスプリントの痛みには適切なケアを行いましょう
シンスプリントの痛みは、適切なケアを行うことでスムーズに解消できます。
リハビリテーションや装具療法など、自分の症状に合わせた治療を受け、早めに痛みを改善しましょう。
シンスプリントの痛みにお悩みの場合は『おおかわ整形外科』へご相談ください。
おおかわ整形外科では、スポーツ障害に対する専門的な検査や治療、運動のアドバイスなどを行っています。
痛みを早く改善したい方、スポーツのパフォーマンスを向上したい方は、お気軽に当院へご相談ください。