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■捻挫が長引くのには理由がある——正しい対処法を知ろう
「湿布を貼って安静にしているのに、なかなか良くならない…」
そんなもどかしさを抱えている方は少なくありません。
セルフケアだけでは対処しきれない原因が潜んでいることもあります。捻挫にお悩みの方へ、長引く原因と具体的な対処法をお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 捻挫が長引く原因には、損傷の程度や初期処置の不足、過度な安静による関節機能低下などがあります
- 回復を促すには、たんぱく質やビタミンCなどの栄養摂取と、段階的なストレッチやリハビリが大切です
- 痛みが引いても靭帯の修復が不十分な場合があるため、症状が続くときは整形外科への相談が望ましいです
■捻挫がなかなか治らないのはなぜ? よくある原因と誤解

「安静にしていればそのうち落ち着くはず」そう過ごしているうちに、数週間たっても痛みが残ってしまうケースは珍しくありません。
長引く捻挫には、見落としがちな原因が隠れていることがあります。一緒に確認していきましょう。
◎「安静だけ」では不十分? 捻挫が長引く3つの原因
捻挫がなかなか落ち着かない背景として、主に3つの要因が挙げられます。
①損傷の程度が想定より重い
軽い捻挫と思い込んでいても、実は靭帯が部分的に断裂しているケースがあります。レントゲンだけでは靭帯の状態を十分に把握しにくいため、MRI検査で詳しく確認することが大切です。
当院ではオープン型MRIを導入しており、レントゲンでは判断しづらい靭帯損傷の診断にも対応しています。
②初期処置が不十分だった
受傷直後のアイシングや圧迫が足りないと、炎症が長引いて組織の修復に時間がかかることがあります。
③安静にしすぎて関節機能が低下している
動かさない期間が長くなりすぎると、関節の柔軟性や周囲の筋力が落ち、かえって痛みや不安定感が続く一因になることも。
◎「痛みが引いた=完治」ではない理由
痛みが和らいでも、靭帯の修復や関節の安定性が十分に戻っていない段階で活動を再開すると、再び同じ部位を傷めるリスクが高まります。自己判断は避け、次のような場合は整形外科の受診を検討してみてください。
- 2週間以上たっても腫れや痛みが引かない
- 足首や手首にグラつきを感じる
- 同じ部位を繰り返し捻挫している
■捻挫を早く治すための方法|食べ物・ストレッチ・リハビリ
ここからは、日常生活に取り入れやすい方法を「食べ物」「ストレッチ」「リハビリ」の3つに分けてご紹介します。
◎回復を助ける食べ物と栄養素
損傷した組織の修復には、栄養面からのサポートも欠かせません。意識して摂りたい栄養素は次のとおりです。
- たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品):組織の修復材料として重要
- ビタミンC(柑橘類・ブロッコリー・パプリカ):コラーゲン合成に関与
- 亜鉛(牡蠣・牛肉・ナッツ類):細胞の再生をサポート
特別な食材をそろえる必要はなく、バランスの良い食事を心がけることがいちばんのポイントです。
◎回復段階に合わせたストレッチの進め方
ストレッチは回復のステージに合わせて行うのが鉄則です。
- 急性期(炎症がある時期):腫れや熱感がある間は無理に動かさず、安静を優先しましょう。
- 回復期(腫れが引いた後):足首や手首をゆっくり回す、タオルを使って可動域を広げるなど、痛みのない範囲で段階的に動かしていきます。
腫れが残った状態で無理にストレッチすると逆効果になりかねないため、開始のタイミングは医師に相談すると安心です。
◎再発を防ぐリハビリのポイント
捻挫の再発予防には、痛みが引いた後のリハビリが大きな役割を担います。バランス訓練や周囲の筋力を強化するトレーニングで、関節の安定性を取り戻すことが大切です。
自己流では負荷の加減が難しいため、捻挫にお悩みの方は整形外科で理学療法士の指導を受けるのも一つの選択肢です。当院では第1・第2リハビリテーション室を設け、患者様一人ひとりの症状に合わせたリハビリメニューをご提案しています。
リハビリの詳しい内容は「捻挫の処置、湿布とテーピングだけで大丈夫? 病院での治療とリハビリ方法」でもご紹介していますので、あわせてお読みください。
■よくある質問
Q. 捻挫はどのくらいの期間で落ち着きますか?
A. 軽度であれば数週間程度が目安ですが、靭帯の損傷度合いや個人差によって大きく異なります。長引く場合は整形外科で検査を受けることをおすすめします。
Q. 痛みが引いたらすぐにスポーツへ復帰しても良いですか?
A. 痛みが消えても、関節の安定性が十分に戻っていないことがあります。医師やリハビリスタッフに確認してから復帰するのが安心です。
Q. 湿布を貼り続けるだけで対処できますか?
A. 湿布は痛みや炎症を一時的に和らげることが期待できますが、それだけで靭帯の修復や関節機能の回復を十分に促すのは難しい場合があります。症状が長引くときは医療機関への相談を検討してみてください。
Q. 捻挫の回復を妨げやすい行動はありますか?
A. 腫れや熱感がある時期に無理なストレッチや運動を行うこと、患部を温めすぎることは控えましょう。回復段階に応じた対処が大切です。
1991年 三重大学医学部整形外科学教室入局
1991年 山田赤十字病院(現伊勢赤十字病院)整形外科勤務
1997年 名張市立病院整形外科勤務
1998年 山本総合病院(現桑名市総合医療センター)整形外科勤務
2000年 富田浜病院整形外科勤務
2000年 おおかわ整形外科開院
日本運動器学会運動器専門医


